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Last update土, 26 9月 2020 7pm
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エレガントな紙コップは、ブランド力を強化し、環境負荷をも低減する

単色印刷して模様とブランド名をエンボス加工したインバーコートのカップは極めてエレガント。さらに、プラスチックのコップに比べて環境負荷が格段に小さい。© Iggesund紙コップはどこまでエレガントになれるでしょうか? 紙コップといえば、まず白くてシンプルで特徴のないものを想像しがちですが、実は熱を遮断したり、ブランドを宣伝したりすることもできるのです。すべては構造と素材と加工法次第です。

イグスンド社は可能性の限界に挑戦すべく、この業界ではかなり一般的な二重壁構造を利用して大型のコップを作ることにしました。二重壁構造なら、コップの内側と外側に異なる素材を用いることができます。すなわち、コップの外側の素材で熱の遮断とブランドの宣伝の両方を実現することが可能だという事です。

「コップの内側にはポリエチレンでコーティングしたインバーコートを、外側にはアルビジョンを使用することにしました。アルビジョンは、インバーコートに薄いアルミホイルを重ねてポリエチレンでコーティングしたもの、つまり押出ラミネート加工したものです」と、イグスンド社でマーケティング・コミュニケーションに関するプロジェクトを担当しているアンナ・アドラーは述べています。「メタリックな要素を加えたおかげで、印刷に使用した色がビンテージ・オレンジ一色だったにもかかわらず、エレガントな輝きを生み出す事ができました」。

このコップでは、イグスンド社のブランド名「インバーコート」を囲むように装飾模様を施す事にしました。この模様以外のすべての部分をオレンジ色で印刷し、その上に模様とブランド名だけをエンボス加工する事でそれらに輝きを持たせるようにしたのです。高精度のエンボス加工機器はスイスの機器メーカー SMR Stanztechnik AGから調達し、印刷はイタリアの紙カップ専門メーカーであるSDG(Scatolificio del Garda S.p.A. )に委託しました。

「エンボスの範囲はどれぐらいが適切なのか何度もテストを行った結果、模様とブランド名全体を浮き上がらせるのが一番だという結論にたどり着きました」と、技術サービスマネージャーのアレックス・グリエルミは語っています。「オレンジ色を重ねていないメタリック部分が、エンボス加工によって見事に輝きを放つのです。これは見ていて楽しくなるものでした。本当に目を引きますよ」。

大きな課題となったのが、印刷した部分とエンボス部分とをいかにうまく組み合わせるかという点でした。そこで、印刷のズレが発生しないよう、コップの数を印刷シート当たり27個から24個に減らしました。

「インバーコートは寸法安定性に優れていますが、それでも確実性を優先した方がよい時もあります」と、グリエルミは述べています。「それで27個ではなく、敢えて24個に留めるという道を選びました。それでも、ブランド力の強化につながるエレガントさと視覚的インパクトを求めるクライアントには喜ばれると思います」。

板紙は印刷適性が高く、極めてエレガントな仕上がりが期待できる素材ですが、イグスンド社が板紙ベースで作られる紙コップの復興を信じている理由はそれだけではありません。プラスチックや発泡スチロールといった従来的な素材を原材料とするカップに比べ、ポリエチレンを薄くコーティングしただけの板紙から作られたコップは、二酸化炭素の排出量が格段に少ないのです。

「ポリエチレンをコーティングしたインバーコートで作ったコップでは、二酸化炭素の排出量が、同じ重さのプラスチックを使用したコップのわずか4分の1程なのです」と、アンナ・アドラーは力強く語っています。「その点だけをとっても"板紙ベースで作られる紙コップ"はナンバーワンです。その上、効果的なリサイクルシステムが存在し、蓄えたバイオエネルギーは最終的には回収されるのですから、素材として板紙を選択しない手はありません」。

イグスンド社では、米国をはじめ、発泡スチロールによる環境問題に対する議論が高まっている国々には、板紙製品の長期的なビジネスチャンスがあると考えています。米国の多くの都市では、飲料用コップや食品パッケージへの発泡スチロールの使用を禁止しようという動きがあるのです。

www.iggesund.com

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