04302024
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次世代インクジェットプリントヘッドの新規生産ラインを日本国内に立ち上げ

 6軸ロボットを使用した次世代プリントヘッド組み立てラインの一部(東北エプソン) ~ 国内2拠点に総額約160億円を投資 ~

セイコーエプソン株式会社(社長:碓井 稔)は、このたび、日本国内の2拠点に総額約160億円※1を投資し、インクジェットプリンター用のコア部品である次世代プリントヘッドの新規生産ラインを構築、量産を開始いたしました。まずは2013年度に発売するビジネス系と産業系のプリンターから順次搭載していく予定です。

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今回量産を開始した次世代プリントヘッドは、当社が20年にわたり培ってきたインクジェットプリンターの技術と最先端のMEMS※2製造技術とを融合させ、高精度・高耐久・幅広いインク対応性というマイクロピエゾヘッドの従来からの特性を継承しつつ、さらなる小型化・高精度・高コストパフォーマンスを追求したものです。また、今後の超高精度化、高密度化に向けた基本技術も確立しており、エプソン製インクジェットプリンターの基本性能を飛躍的に向上させるプラットフォームとして、長期的な観点で進化させていきます。

この次世代プリントヘッドは、アクチュエーター※3を形成するピエゾ材料の開発から独自に行っており、生産には、超微細MEMS加工や正確かつ精密な装置制御など、高度な技術が必要不可欠です。また生産ラインの立ち上げも難度が高く、長年にわたり培った当社のものづくり力を最大限に発揮することも必要でした。このため、生産ラインは当社の技術開発の集積地である日本国内に立ち上げることとし、諏訪南事業所(長野県諏訪郡富士見町)と東北エプソン株式会社(社長:酒井 明彦、山形県酒田市)に、2011年度から2013年度までの3年間で総額約160億円※1の投資を行います。

諏訪南事業所では、プリントヘッド製造の前工程を受け持ち、プリントヘッドのコアとなる超微細MEMS構造部の製造を行います。一方東北エプソンでは、後工程としてプリントヘッドの組み立て作業を行いますが、当社のFAロボット技術も駆使して完全自動組み立てラインを構築することで、生産性と品質についても飛躍的な向上を図っています。このように、日本国内で一貫生産を行うことで、次世代プリントヘッドに関する技術的ノウハウの蓄積を図るとともに、生産技術を盤石なものとし、コア部品製造の役割を担う国内生産拠点の競争優位性をさらに向上させていくことも狙いです。

今回の生産投資は、当社の長期ビジョン「SE15」および「SE15後期 新中期経営計画」で目指すインクジェットプリンターの事業領域強化・拡大に向けて非常に重要な意義を持つものです。今後、この次世代プリントヘッドの活用を進めるとともに、プラットフォームとして進化させていくことで、さらなる競争力の強化、事業の拡大を図ってまいります。

※1 2013年度の投資については一部未執行分を含む。

※2 Micro Electro Mechanical Systems(微少電気機械システム)。半導体加工技術などを応用して作られる、機械駆動要素を有するデバイスのこと。

※3 電圧などの入力エネルギーを機械的な運動へと変換させる駆動装置のこと。

www.epson.jp

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